2日目はこちらから。
3日目は高崎から新潟へ行き、日本海海岸沿いに本州の果て、青森を目指します。
- 高崎(7:11)→水上(8:17)
- 水上(8:28)→長岡(10:18)
- 長岡(10:29)→新潟(11:29)
- 新潟(11:42)→村上(12:57)
- 村上(13:48)→酒田(16:15)
- 酒田(16:30)→秋田(18:19)
- 秋田(19:25)→青森(22:18)
- 本州最北端の街
高崎(7:11)→水上(8:17)
この日は7時台の列車からスタートという、いわば一番ラクな日。
快晴による放射冷却の影響か少し標高が高いからか、この日の朝が旅の中で一番寒く感じた。これからどんどん、寒い場所へ移動することへ少しビビりつつ、ホームへと足を進める。
初めに向かうは、群馬県内の水上駅。「みずがみ」ではなく、「みなかみ」と読むそうだ。
JR東日本といえば長い編成のイメージだけど、少しローカルな場所では4両編成も当たり前みたい。
朝だから、客もそれなりに多い。学生風の若者集団がたくさん乗ってきた。それなりにうるさかったが、その喧騒に眠気が負けることはなかった。
水上(8:28)→長岡(10:18)
起きたらそこは、銀世界だったー
3月だというのに、なんだこの積雪量は。鹿児島では暑かった、所持品のダウンジャケットが…今では必需品となっている。
そうか、どうりで高崎の乗客に大きな荷物を持っている人が多かったわけだ。
彼らはほぼ全員がスキーヤー。関東から電車を乗り継いで、新潟のゲレンデに向かっているらしい。新幹線や特急を使わないところが微笑ましい?
ホームには屋根が付いているが、横から吹雪が容赦なく吹き付けてくる。体温を奪われないうちに、すぐに長岡行きへの列車に乗った。
このあたりは山岳地帯。雪化粧をした山並みに、リゾートホテルや民家が存在感を放つ。
長岡といえば、帝国海軍の大将、山本五十六(やまもといそろく)の生誕地であることを思い出す。
彼の名前をそのままタイトルにした映画『連合艦隊司令長官 山本五十六 』を、父に連れられて見に行ったことがある。
酒が飲めない五十六は、大の甘党。今の菅総理もそうだったはず。
映画では酒まんじゅうを氷水に浸し、砂糖をたっぷり掛けて食べる「水まんじゅう」が、五十六の好物として登場したのが印象的であった。ただでさえ甘いまんじゅうに砂糖を倍プッシュ…戦死する前に糖尿病で死にそうなものであるが、酒まんじゅうは塩漬けした小豆を使用しているため甘くなく、砂糖を掛けて食べるくらいがちょうどいい、という話もある。
水上を過ぎてすぐの湯沢にスキー場があるらしく、多くの乗客はそこで降りた。
私は、まだ降りない。
長岡(10:29)→新潟(11:29)
この日は乗り継ぎ時間が短く、サクサク進む印象。寒いっちゃ寒いが、先ほどまであんなにあった雪はいつの間にか消えていた。
旧に古びた車両になってもた。
新潟(11:42)→村上(12:57)
新潟駅は新幹線が停まる駅であることもあり、かなり広い印象。
在来線ホームとの間に新幹線用の改札があり、スピーディに移動できる。
新潟というか、このあたりは米どころとして有名。
それらを使ったクラフトビールが、駅内コンビニで存在感を放っていた。
そろそろお昼時なので、新潟駅で駅弁を買うことにする。案外、まともな駅弁を買うのは今回これが初めてか。
選んだのは「まさかいくらなんでも寿司」弁当。ネーミングとビジュアルに惹かれた。しかし、新潟って鮭が有名なのか?
車内で開封。ビューティフォ-…
真ん中のはカニ。昨年網走で食べたカニ弁当を思い出すわ。
駅弁を味わっていると、村上駅に着いた。ちなみに、まだ新潟県である。
村上(13:48)→酒田(16:15)
村上駅は、まさに鮭の神社のような出で立ちであった。
国内では、鮭といえば北海道、というイメージを持っていた。
しかし、その歴史はここ新潟の村上のほうが長いそうで。
江戸時代、村上藩の下級武士が世界で初めて鮭の回帰性(海に出たあと、生まれた川にまた戻ってくること)を発見したらしく、藩の財政を強く支える一因になったそう。世界で初めてって、すごくないですか??
駅内でこれほど持ち上げられているのも、納得です。
こんなに歴史があるのなら、さっき鮭の弁当を買っておいて、よかった。
釣りもできるのなら、いつか訪れてみたいね。
食後のコーヒーとおやつを買いこみ、いよいよ山形県・酒田を目指していく。
酒田(16:30)→秋田(18:19)
酒田はどうやら、汽車の街らしい。昔滋賀県や山口県で、D51に乗ったことを思い出した。
秋田行きの列車への乗り継ぎ時間は15分とあまりない。
ここからはこのピンクラインが特徴的な列車に乗る。
しかし、主要駅の酒田で複線しかないとは…
秋田(19:25)→青森(22:18)
秋田に着いたのは18時を回ったころ。さすがに日が暮れきっている。
ナマハゲがお出迎え。こんなの子供の時見たら、トラウマにならないのだろうか。
秋田出身の先輩が言うには「主要駅なのに神戸の普通の駅前よりショボいよ」。うん、確かに飲み屋以外は何もないかも…
かえってローカル都市らしくて良い気もするけど。
次の列車まで1時間以上もあったので、駅横のデパートへ。
きりたんぽ鍋が結構高かったのは意外で、結局は海鮮メインの居酒屋へソロ突入した。
せっかく米どころの県で刺し身を食うのなら、日本酒を頼まないのは違憲レベルの行為である。
口に入れると、ススっと染み込んだあと口の奥でパァッと爽やかな風味が広がる…これからはビールだけでなく、日本酒も開拓していきたいところ。
せっかく神戸居たんだから、もう少し飲んでおけばよかったなと後悔。
最後に駅内を散策。
秋田県、秋田美人、秋田こまち。名物の枕に「秋田」という県名が付く数は、他の都道府県と比べてもかなり多いほうなんじゃないのかな。
秋田美人といえば、その理由が諸説ある。
・日照時間が短い→肌が白い
・ロシアと近い→混血し、目鼻立ちが良いスラブ系の特徴が顔に出る
・米どころで栄え、栄養状態が良い
などなど。
個人的には2つ目の「ロシア人との混血」パターンな気がする(日本人と東欧人のハーフ/クォーターは、確かに可愛い。知り合いにいた)けど、真相は分からないほうが面白い気がする。
さて、この青森行き列車が、本日最後に乗る列車となる。
乗りがけに「メーテルのヴァイツェン」なるものをジャケ買い。ってか、「銀河鉄道の夜」の聖地は宮城県でしたわ、失敗。
本州最北端の街
さて、予定通り22時18分、青森に着いた。
水上で現れ、長岡から消えた雪が当然のように道端に積まれている。
駅前でもこの規模感。大丈夫かこれ…
駅構内にはねぶたのミニチュアあり。西の人間としては、正直このイメージしか無い。
この日の宿はアパホテル。なにげに初めて泊まった気がする。
しかし、駅前から徒歩5分という好立地ながら、路面が凍ってて滑るのなんの。
たぶん雪が昼間に溶けて、寒い夜に再度凍った結果、氷に変わったからだと思う。
道中すれ違う人が長靴を履いているのも納得。スニーカーで来るところではなかった。
こんな誘惑があったものの、明日乗る列車は6時15分。しかもこれから進む場所は“在来線の限界集落”ともいうべき、ダイヤがかなり少ないところであるから…1度のミスも許されない。
スマホのアラームを5時にセットし、そそくさと寝ることにした。
4日目に続く。