1日目では鹿児島県枕崎から岡山まで移動できました。
2日目はJR西日本、東海が抱える「新快速」が利用できる日。長い日となりそうです。
- 岡山(6:14)→姫路(7:47)
- 姫路(7:53)→野洲(10:11)(10:12)→米原(7:47)
- 米原(11:00)→大垣(11:31)
- 大垣(11:41)→豊橋(13:09)
- 豊橋(13:42)→浜松(14:15)
- 浜松(14:27)→静岡(15:39)
- 静岡(16:03)→熱海(17:21)
- 熱海(17:37)→上野(19:20)
- 上野(19:40)→高崎(21:21)
岡山(6:14)→姫路(7:47)
朝5時。カプセルホテルでの睡眠は思ったより熟睡できて、鳴り始めたアラームをすぐに消すことができた。
6時の電車に乗るため支度開始。朝風呂も開いている時間ではあったけど、そのような余裕はなく…
この日は朝から結構な雨であった。
昨夜、駅前では酒に酔った学生をたくさん見たが、ほぼ始発の時間帯である早朝も然り。
おそらく徹夜で呑み明かしたのだろう、疲れ切った彼らを多く見た。
緊急事態宣言下ではない岡山。神戸や大阪では久しく見ていない光景だった。
僕だって、最後に徹夜で呑み明かしたのは2019年の忘年会。1年も前には皆がやっていたことが今はできない、というのは何か心をキュッとさせるものがある。
車内は通勤、通学客で意外にもかなり混雑しており、駅前のセブンでカップコーヒーを買ったことを後悔。
ていうか、カップコーヒーはキャップがないから飲み歩くときも片手を奪われるし、飲み干したあとも捨てる場所が意外になくて困るから…基本的に買わないほうが良い気がする。
この日も寝不足がたたり、ウトウトしているうちに終着の姫路まで着いてしまった。ここからは見慣れた風景となる。
姫路(7:53)→野洲(10:11)(10:12)→米原(7:47)
姫路では有名な「駅そば」を食べる暇もなく、野洲行きの新快速に乗車。
駅そば、有名な割にそない美味しくないと思うんですが、どうなんでしょ?中華麺を使うなら、普通にラーメンのほうが美味しいような。
新快速の最高速度は約130km/h。ほぼ特急列車と同じ速度を出せるのに、これが追加料金無しで乗れるってんだからスゴイぞ新快速。
この速度を実現できる要因のひとつが「停車駅が少ない」。例えば神戸三ノ宮駅から大阪駅の間は芦屋・尼崎しかないという。うーん、芦屋住みたかった。
野洲での乗り換えはたったの1分。反対のホームにはすでに乗る予定の列車が待ち構えている構図。
同じく乗り継ぎ列車との乗り換え時間が少ないことで有名な相生駅は「相生ダッシュ」という名前で親しまれているが、「野洲ダッシュ」は定着しなかったのかしら。
米原(11:00)→大垣(11:31)
「新幹線の駅があるのに何もねえじゃん」で有名な米原駅。予想の3倍くらい何もないです(?)
しかし、ここはJR西日本と東海の境目となる駅。関西に住んでいると見慣れない、シルバーとオレンジの列車をここから見ることができるのです。
なお、今回の旅行をするうえで参考としたサライの記事を見て、米原駅で駅弁を買おうと決めていた。
これによると、米原駅では「おかかごはん」という名の、超シンプルな駅弁をおばあちゃんが売っているとか。
駅弁というと少しコストパフォーマンスが悪いけど、こういう鉄道旅には欠かせないスパイスだと思う。
しかし、実際にラインナップを見てみると、お目当てのおかかごはんの横にはトンデモなく美味そうな「牛肉弁当」が。どうする自分。どうする…?
負けた。
まあもちろん予想通り美味しかったからいいのだが…しばらくは「おかかごはんを食べれなかった」という悔いとともに生きることになる。また来よう。
大垣(11:41)→豊橋(13:09)
大垣といえば、18きっぱーなら「ムーンライトながら」を思い出すはず。
大垣⇔東京をつなぐ、今はなき夜行列車。僕がこれに初めて乗ったのは高校生、友人らと東京旅行に行くときであった。
広島から東京に行くには片道でもざっと2万円はかかるところを、ながらを使えば2日分の18きっぷと、わずか500円の特急料金で行くことができる。まさに夢の特急であった。
しかし、横に座る人によってその乗車体験は大きく左右される。
あまり強くは言えないが、ながらを利用する人は“訳あり”な人が多い。僕らのような金のない学生のように、金のない大人だって乗る。少しクサいおっさんだったりする
そして、23時前に大垣を出発し、5時ごろ東京に到着するながらでは、多くの乗客が睡眠をする。イビキ問題は、人によっては大きな問題だろう。
初めての人は、気心知れた友人と隣同士で座るのが良い…とアドバイスしたいものの、廃止されたのなら仕方がない。
さて、今回はこの大垣から愛知県・豊橋駅まで向かう。先程買った駅弁も、この長い区間で食すこととなった。
雨のなか、意外に長い愛知県区間をひた走る列車。昨晩ダウンロードしておいたKindle本を読み、時間をつぶす。
しばらくして豊橋にいよいよ着くと思ったところ、車内に警告音が流れた。
緊急停止する列車。しばらくして流れたアナウンスによると、どうやら前を走る列車が自動車とぶつかったらしい。
…急なリスケを迫られてしまった。
豊橋(13:42)→浜松(14:15)
結局、豊橋に着いたのは13時25分ごろ(だったかかな?)。
なかなかに遅れてしまったが、比較的ダイヤにゆとりある東海地方でトラブルが起きたのだけが救い。これが1日に数本とかの、JR北海道とかだったら…(白目)
お次の目的地は浜松。ついに静岡県入りである。
浜松付近にある浜名湖は名物ウナギに加え、良質な汽水領域が広いことからシーバスの好釣場と聞いたことがある。
まあ、なかなか行ける場所ではないんだけど…
豊橋駅にある成城石井で買った、レッドブルのようなカラーリングのベルギービール「MAES」を呑みながら車窓を楽しむ。トラブルも18きっぷ旅の楽しみの1つと信じて。
浜松(14:27)→静岡(15:39)
静岡県が横に広いのは有名な話だと思う。気になって調べると、幅は新所原~熱海で177kmにもなるみたい。
その他、幅が長いのは新潟県。北海道はさすがに殿堂入りだろう。
静岡駅といえば、個人的に小説「イニシエーション・ラブ」が想起される。
新幹線のぞみも止まらない地方都市であるこの静岡駅周辺が、小説の舞台となった。
この小説は最後に読者をアッと言わせる仕掛けに目が行きがち(小説と同じ仕掛けでは読者を騙すことが出来ない映画版でも、恥ずかしながらアッと言ってしまった)だけど、イニシエーション・ラブ(通過儀礼としての愛)というタイトルに即した、登場人物のセリフが個人的にずっと刺さっている。
初めて恋愛を経験したときには誰でも、この愛は絶対だって思い込む。 絶対って言葉を使っちゃう。
でも人間には── この世の中には、絶対なんてことはないんだよって、いつかわかるときがくる。
それがわかるようになって、初めて大人になるっていうのかな。 それをわからせてくれる恋愛のことを、彼はイニシエーションって言葉で表現してたの。
ハツコイを自ら裏切ってしまった主人公。その空隙に入っていく新たな女性が、主人公を肯定するかのように発したセリフ。
この妙な関係がこの小説に大きな意味を持たせているような気がしてならない。
まだ見たことがない人は映画でもどうぞ。松田翔太が80年代ロマンスで、とにかくかっこいいんだ。
…まだこの旅の中で、駅そばを食べていないことに気付いた。ホームで食べる立ち食いそばは、3割増しで美味しい。
うーん、コロナめ!
そのほか、静岡駅付近には「ちびまる子ちゃん」の舞台となった清水駅があり、三保の松原という、富士山がキレイに見える浜がある。次に行くのはいつだろうか。
静岡(16:03)→熱海(17:21)
次なる目的地は、温泉で有名な熱海である。ちなみにまだ静岡を出ることはない。
熱い海と書くアタミは、その名の通り海中から幾度も温泉が湧き上がり、海水温がかなり高くなることが多かったそう。そんだけ高かったら、生物は生きられないのでは…
そういえば、昨年友人がGoToを使って熱海の高級温泉旅館に泊まったと話していたような。
僕はGoToを、もともと安い宿をさらに安く泊るために利用したが、普段利用できない高級なサービスを体験するために使ったほうが良かったのかもしれない。
熱海(17:37)→上野(19:20)
ここ熱海駅は、先ほど通過した米原駅のように、JR東海とJR東日本の境目となる駅である。
現在、日本のICカードはシステムの都合上、エリアをまたいだ利用はできない(区間が決められたIC定期券の場合は可能らしい)。
なので熱海以西の観光地、たとえば沼津(ラブライブ!サンシャインなどで有名)に関東民がSuicaカードを使って行かないよう、注意の張り紙がなされている。
そしてここからはJR東日本。普通列車でも車両数は新幹線並みの16両。
そのなかには有料の「グリーン席」も存在する。実は今日、これが楽しみでここまで耐えてきたまである。
もちろん、グリーン席とはいえ普通列車なので、18きっぷで乗車可能。
距離によって500円か1000円を払い、快適な有料座席を楽しめるというものだ。
今回は熱海→高崎なので、1000円をモバイルSuicaで支払う。
実際に乗り込むと、天井に2つのランプとSuicaのマークがある。
誰も乗っていないときは赤色で、ここにSuicaをかざすと緑色に変化する。
グリーン車両には女性アテンダントが随時見回りに来るので、不正乗車はしないでほしい。
座席には折りたたみデスクまで付属していて、思わず買っておいたビールをプシュ。
この優越感は確かにたまらない。使えるなら毎日使いたいものである。
上野(19:40)→高崎(21:21)
東京駅を過ぎ、上野駅で乗り換え。高崎線に乗るためホームを探すと、どうやら降りたホームのそのまた下にホームがあることに気付いた。こんな駅がゴロゴロあるんじゃ、そりゃ関西は東京に勝てないよな…
ホームには石川啄木の詩碑が。何億人という“おのぼりさん”が通ったであろうこのホームから、何か言葉に表せない雰囲気を感じるのは僕だけだろうか。
上野駅といえば、先日読んだ本「浮浪児1945」で上野が登場していたのを思い出す。
第二次大戦ごろ、上野には巨大な森や地下通路があったらしく、戦火を逃れた人々がここで生活をしていたという。有名なアメ横商店街も、もとは闇市。
このあたりの歴史は、もっと深く勉強したい。
21時を過ぎたあたりで、群馬県高崎に着。上野をすぎたあたりで、それより北の世界は北海道を除いて行ったことがない。
明日の車窓も非常に楽しみである。
3日目に続く。