前回は計画編でした。
あとは実行に移すのみです。
- 0日目
- 新神戸(07:03)→博多(9:27)
- 博多(09:41)→熊本(10:29)(10:34)→鹿児島中央(11:20)
- 明治維新のまち、鹿児島
- 鹿児島中央(14:07)→知覧(15:26)
- 何を失ってしまった?
- 知覧(18:16)→枕崎(18:58)
0日目
0日目は、神戸から鹿児島枕崎に移動です。
飛行機という手も考えましたが、ほとんど同額だし、どうせなら九州新幹線に乗りたいという希望もあり…陸路を選択。どんだけ鉄道乗るんだ…
新神戸(07:03)→博多(9:27)
ただの移動日なのにこんなに出発が早いのは、鹿児島県の“あるところ”に訪れたいため。
さらに早朝は自由席といえど、ほとんど混まないので好きです。
博多までは新幹線で約2時間半。(明日から乗る普通列車に比べるとそれはそれは)フカフカな座席でうたた寝をしているうちに、到着のアナウンスはすぐ耳に訪れました。
博多(09:41)→熊本(10:29)(10:34)→鹿児島中央(11:20)
博多で降りたのは、この「つばめ」に乗るため。
九州新幹線の初期車両である、このつばめ。
「さくら」「みずほ」は新大阪まで来るので、広島や神戸でもなじみがありますが、つばめが走るのは博多~鹿児島中央間。
内装が豪華だとか、魅力的な話は耳にしつつも…なかなか乗れずにいました。
しかも、現在つばめは「こだま」よろしく、各駅停車する鈍行新幹線。効率性から見れば「わざわざ乗る」新幹線なのです。
さっそく乗車。座席の綺麗さに脱帽です。
朱と木目、金を基調したカラーデザイン。鈍行新幹線とは思えぬ、かなりゴージャスな内装に心が踊ります。
このつばめは熊本止まりのため、一度熊本で下車。後続の「さくら」に乗り継ぎます。
ボンネットについた黒い火山灰が、九州に来たと実感させてくれるのです。
鹿児島自体、来るのは初めて。気温は約20℃。この時期とは思えぬ高さで、思わず上着をリュックに仕舞ってしまいます。
明治維新のまち、鹿児島
次に乗るのはバスで、14時ごろの出発。少し長い空白ができてしまいました。
街をぶらぶら歩いてると、どうやらここは明治維新と深い関係がある様子。西郷隆盛とか、大久保利通とか。
歴史を学ぶには、やはり博物館が格好です。
先程上げた2人といえば、協力して倒幕、新政府の設立に尽力するも、すれ違いから対立し、西南戦争という内戦で戦うという運命をたどったことで有名。
しかし、大山巌や東郷平八郎など、その後の陸海軍の幹部を務めた人物は、その多くが薩摩藩出身。現在の日本の国としての地位は、ここ鹿児島の偉人たちが作り上げたといっても過言ではない…
また、「篤姫」など、この時期の男たちを支えた女性たちも、コレまた有名。いつだって男は女性の支えが必要な生き物なのですね。
さて、そろそろ腹が減る時間。
鹿児島といえば「黒豚」が有名ということで、ネット検索しても豚を使った店ばかりヒット。
豚といえば…トンカツやろ!
「とんかつ川久」へ。最初入店したときは行列もなかったのですぐ食べられると思いきや。
「30分後にお呼びしますので、電話番号を入力してください」
舐めてました。すいません
しかし、ここのトンカツはまじで待つ価値がある。
神戸といえばチェーン定食「むなし」が有名?だけど、そこの人気メニューであるロースカツ定食(690円)はわりと薄い。
まあ普段であれば「ソース付けたら一緒やろ」と馬鹿舌を発揮することが出来るが、川久のトンカツは比にならぬ程の分厚さと、ジューシーな肉汁を備える(断面も撮ればよかったね)。
3種のソースがデフォであるけども、正直これは邪道かもしれない。何も付けずに食べられるのがホンモノということ、痛感した。
ぜひ、鹿児島に来たら食べに行ってほしい。
鹿児島中央(14:07)→知覧(15:26)
満腹、満足な状態で、向かうは知覧。かの対戦にて、特攻隊の出撃に使われた場所で、現在は平和記念資料館があるという。
広島出身である人は、特に幼少期から平和教育をさかんに受けていると共感してもらえると思うのだけど、そのときに知覧・鹿屋などの地名は耳にしたことがあるのではないだろうか。
行くとしても、地図上ではかなり行きにくいところにある両地。鹿児島の果てに行く、この機会を逃すとしばらくは来れないだろうと思う。
鹿児島中央駅からはバスで向かうことが出来る。が、11時の便の次は14時。1日に8本しかないのはかなりアクセスが悪い…
それもそのはず。知覧は本当に山奥に位置する。何度も続く山道のつづら折りを、結構荒れた運転で進むもんだから…正直、シートベルトが必要なレヴェルである。
知覧到着。本日向かう枕崎へのバスは、到着時刻的にあと2本しかない。
資料館の閉館時間は17時だから、実質1時間は外に放り出される。さてどうしようか…
という迷いや悩みは、旅行中では邪心である。その暇・無為の時間こそが、旅の醍醐味なのだと思う。
何を失ってしまった?
資料館は予想の5倍は広かった。
およそ千の搭乗員がここ知覧から特攻隊として出撃したそう。
それら搭乗員の遺書・家族への手紙が多く掲載されていたが、ほとんどが自分のことではなく、ただ家族やふるさとへの貢献を願う内容だった。
なにかと自分のことだけを考えてしまう現代。昔の人となにが変わってしまったのだろう。
資料館が閉館しても、あたりには記念碑や展示品がたくさんある。
それらを眺めていれば、自然と時間は過ぎるものだった。
知覧(18:16)→枕崎(18:58)
知覧から枕崎はまたバス移動。「特攻観音入口」で乗車です。
しかし、なんと乗客はおらず、僕だけ。
あとから乗ってくるのかと思いきや誰ひとり乗ってこず、約40分間、運転手と2人きりという…地方バスの現状が垣間見えたような気がしました。
途中、運転手の方が「旅行ですか?」と声をかけてくださり、鹿児島についていろいろと話してくれました。
日本の西に位置する鹿児島。ちょうどこの時間帯が本州より遅い夕暮れ時で、ほとんど街灯のない真っ暗な道を初めて乗ったバスで進むという、ある種幻想的な体験をすることができました。
枕崎、到着。あたりで採れるカツオが有名だそうで、灯台にはカツオのイラストがあしらわれていました。
ホテルは「シティホテル福住」へ。どんなもんやと思いましたがかなり綺麗。たいてい端っこの地方は宿泊費も高くつきがちですが、この綺麗さで5000円なら大満足です。
いよいよ、明日から始まる日本縦断。心はすでに、5日後に到着する稚内に向いています。
つづく。