カサゴ。
関西では「ガシラ」、中国地方では「ホゴ」「ホゴメバル」、九州では「アラカブ」など、多彩な名前を持つ彼は、エサはもちろん、ルアーにもよく反応する釣りの好敵手。
貪欲でいて繊細な面も持つ彼を釣ることに、僕はドハマリしています。
さて、根魚であるカサゴはその成長の遅さから、すでにオカッパリから釣り上げることは難しくなっているほど年々その数(釣場において)を減らしているような気もします。
カサゴの仲間であるメバルは、生まれた場所からほとんど動かずに生涯を終えるといいます。つまり、ある釣場があったとして、そこにいるメバルをネコソギ釣ってしまうと、「その釣場では」もうメバルが釣れなくなってしまう、ということ。
もちろん他の釣場や、船を使って沖に行けばハナシは別ですが、問題なのはそういった釣場が年々増えているということです。釣り人にできることは、魚がいる場所に移動するか、なんとかして沖にアクセスすること(ロングキャストができるタックルを揃える、船で沖に出る。)。
個人的な話で言えば、神戸の陸路でアクセスできる主要な釣場(垂水・須磨・芦屋浜等々)では、もうカサゴを数釣り上げるのは難しいのではないかと思います。神戸空港周辺ならチャンスがあるかな、ないかな、といった具合。
先日ある方から「神戸でガシラが釣れる場所はないか」と質問をされましたが、正直言うと、かなり難しいかも(*_*;
※実際には、ある時点でエサやルアーに反応する個体は「100匹中の1匹」だったりする、というハナシもあります(つまり、多くの個体はガン無視。たまに好奇心旺盛な個体が食いつく=釣れる)。
そのため、「その釣場で釣れない=魚がいない」、は実は不適当で、「その釣場で釣れない=反応する魚がいない」、が正解だったりします。
神戸時代に満足できる釣果を上げられたのは、もっぱら沖堤防でした。
沖堤防にも連日多くの人がアクセスしてはいるものの、やはり都度2000~3000円というお金を払うハードルがあること、雨の日はアクセスできないことにより人工的なクールダウンタイムが発生することなどによってか魚影が濃く、いつも釣果に恵まれる印象が強いです。
それでも、乱獲に近い匹数のキープを多くの釣り人が続ければ、いつの日か釣場から姿を消すことは避けられないでしょう。
これに関しては、僕にも反省する点が多くあります。
16~17世紀、アメリカに移住した開拓民は、未開の地を「フロンティア」と称して開墾に励み、資源を取り尽くし、邪魔な先住民を殺していきました。現在のアメリカに、フロンティアはもう残っていません。
同じように、日本の釣場にフロンティアは、魚は、いつの日か消えてしまうのでしょうか。