ユウのよしなしごと

アウトドアで生活を豊かに。

釣りの動画はポルノ動画と同じ?

一度は経験したこと、ないでしょうか。

「動画だとプロはあんな簡単に釣ってみせるのに、僕はなんで釣れないんだ」とフラストレーションを溜めた経験が…

1日に触れる情報が多すぎる現代

朝や深夜のちょっとした時間に放映されていた釣り番組は、平成になって、ケーブルテレビ「釣りビジョン」の開設により24時間いつでも見られるようになりました。

さらには動画投稿で生計を立てる「YouTuber」の確立で、釣り番組を作るのはプロだけでなく、むしろ素人の方が多くなる事態に。加えてSNSの発達もあって、私達アングラーはこれまで以上に「他人の釣果」を目にする機会が増えたと思います。

しかし、人間はあさましい生き物。どんな聖人にも「嫉妬」は心のどこかに持っていて、他人の素晴らしい釣果を見ると「僕も釣りたい」「羨ましい」「ズルい」と思ってしまうものです(少なくとも、僕はそうです)。

YouTube・SNSによる流通情報量の爆発的な増加、言うなれば「釣りのDX化」が進んだことにより、プロだけが持っていたノウハウや釣り場の最新釣果などが容易に手に入る時代です。これによるメリットが非常に大きいのは間違いありませんが、飛び交う莫大な情報に知らず知らず疲れを感じている人もまた、少なくないのではないでしょうか。

現実が期待を下回ったときに生まれる「フラストレーション」

フラストレーションとは、自分が持つ期待が、目の前の現実や結果を上回ることによって生まれるのだと思います。

普段働いている一般人は、釣りに行ける日よりも釣りに行かない日のほうが多いでしょうから、YouTubeやSNSのアカウントを持っている人は特に、自分が実際に釣りをする時間よりも釣りに関する情報に触れる時間のほうが多いのではないでしょうか。

タイムラインに流れる、プロ・アマチュアだけどプロ並みに上手な一般人の素晴らしい釣果たち。
これを見ると、釣り人の脳は大興奮。「週末は俺もロクマルのバス釣ったるぞ」「次はぜっったい尺メバル釣ったるんや!」と奮起します。というか脳はあまり賢くないので、目の前で起きた出来事を自分のことのように錯覚してしまうことがあると、どこかの文献で目にしたことがあります。誰かの釣果や釣りテクを、自分のもののように錯覚し、期待値がとめどなく上がり続ける。

しかし、現実はそううまくいくものではありません。週末はあいにくの雨だったり、急用が入ったり、ロクマルや尺メバルはおろか、ボウズだったりも普通にありえます(正直、ここをも楽しめない人はあんまり釣り向いてないと思います)。
そして「先週プロが釣った場所でやったのに、なんで俺は釣れへんのや」「動画で見たとおりのアクションをしたのに…」などなど不満を抱えたまま、翌日の出勤に備える。

ポルノ動画と同じ?

さらに危険なのが、例えば尺メバルを狙ったとして、15センチくらいのアベレージサイズなメバルを釣ったとき。

釣りを始めたてのころは、何でも釣れたものに歓喜し、叫喚し、感謝していたのに。
多くの素晴らしい釣果を見続けた暁に、それらと比較して「なんだ、チビかよ」と、なんの感動も抱かなくなる恐れも、あります。

アダルトサイトの見過ぎでEDになる若者が増えているという記事を見たことがあります。
女性の裸体をスクリーン越しに日常的に見ている影響で、いざ現実世界で女性と性行為をすることにとしても、アレが勃たない。

素晴らしい釣果をスクリーン越しに日常的に見ている影響で、いざ現実世界で魚を釣り上げたとしても、心が動かない。

理屈としては、同じなのではないでしょうか。

www.buzzfeed.com

以前、僕の友人がデジタル・デトックスについて語っていました。確かに、これは由々しき問題だと思いますし、すぐには無理かもしれませんが、徐々に取り入れていきたいなと。

釣りは一生の趣味。70歳になっても、針に掛かってくれた小魚に感動できる心を持ち続けたいですね。

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“釣れない釣り”をすることがひとつの対策?

おまけトーク。

魚を釣ることへの感動を持ち続ける対策として、あえてあんまり釣れない魚を狙ってみたり、自分がまだやったことのない釣りに挑戦することがあるのではないかと思います。

例えば、「マスゲン釣りチャンネル」の釣りガール。丸1日ロケをしてもボウズになる日のほうが多いなか、稀にデカバスが釣れたときの、弾けるような笑顔。これこそが、釣り本来の醍醐味なのではないかと。

個人的な話で言えば、ライトソルトゲームはもう10年ほどやっていて、これもまだまだ奥が深いですが、中級者くらいにはなれたのかな?と。
だからこそ去年はエギングやライトショアジギングなどに挑戦したし、今年はシーバスに挑戦したい。

飽きや慣れが来ないよう、いい感じに“初めての一匹”に出会える機会を作りたいものです。