ユウのよしなしごと

アウトドアで生活を豊かに。

道具の思考

2023年度も終わりが見えてきた。
今年は自分にとって、趣味の釣りにおいて大きなターニングポイントであったと思う。今回は釣りに使用する道具への考え方の変化についてまとめてみる。

再開

もともと、自分は釣具に対してあまりお金をかけたくないタイプであった。

自転車熱が冷め、釣りでも再開するか〜と、ふと思い立ったコロナ禍の2020年。
まず、スカッとしたくて、立ち寄った神戸の釣具屋ライトショアジギング用に買ってみたのはクロスビートとカルディアであった。

ライトゲームも再開したけど、中学生時代に買ってた7000円くらいのアジングロッドが妙に使いやすくって。「釣れればいいんじゃない?」精神で、特に買うこともなかった。
そのころ自分は断捨離、ミニマリズムなるものに傾倒していて、ものを多く持つことにアレルギーがあった。
だから1つ買ったら1つ捨てる、みたいな非効率なこともしていた。

ルアーだってそう。
今思えば、買い方がなってない。
学生でお金がないもんだから、1パック500円のワームだって、ストレスを感じる。
なら飲み会行くなよ、って感じだけど、そんなだから色を揃えることもしない、動画で見たからとりあえず1つ買ってみる、といった「手当り次第」で、タックルボックスはとっ散らかっていた。

独学期

そして、社会人になる。
初めの数ヶ月は緊張や仕事を覚えるのに必死で釣りは後回しになっていたけど、日に日に財力がついていくのを感じた。
釣具屋でルアーに手をのばすときに感じる”重力”が軽くなっていく感じ。たぶんみなさんも経験あるんじゃないかな…

で、ボーナスで買ったのはヴァンキッシュ。いつまでもカルディア2500でライトは…ということで、軽さを求めて買った。
こういうのが買えるようになったのは、素直に嬉しかった。無理だったから。

とはいえ、釣りに関してはまだまだ”独学”であった。上京勢なので、関東に釣り仲間はおらず、ずっと1人でやってた。
縁あって沖縄に釣り友達はできたけど、やっぱり身近にはいない。
常に「釣れてはいるけど、これでいいのか」という不安はあった。

 

プロとの出会い

で、今年2023年。
ツイッターをやってると普段はスパムしか来ないDMにフォロワーさんからピコン。
「ボートでライトゲームに行きませんか?」

願ってもないことだった。
ボートでライトゲームは、経験がなかったわけではないが、乗合船だった。
今回のはチャーター船で、これは2〜3人の釣り仲間でボートを貸切るタイプ。
自由度が高いぶん高額で、そもそも釣り仲間を見つけるところから、というハードルがある。

そんなチャーター船に、お誘いがあった。
いま思えば当時まだお会いしたことがなかった方だったので、よくお誘いいただけたなと思う、感謝…

で、これが面白いのなんの。
1月の厳寒期だったけど、バースの下を探れば、陸では釣れないサイズのメバルがキュンキュンとファイトする。中層をカウントすればアジも。
…といった手前の釣果は、割とどうでもよかった。
そのボートの船長が、ほぼ初めて見る「ライトゲームのプロ」だったから。
その道具・そのルアー選び・その釣法…学ぶことが多すぎた。

  • これまではパックロッドだけでいいと思っていたが、やはり仕上がった2ピースロッドには敵わない
  • ラインにはこだわる。魚はラインの存在を、人間が思っているより警戒しているから、可能な限り細く、細く…
  • ナイトゲームでもライトは水中に見せない
  • ルアーは最低3色同時に買う。派手・地味・クリア
  • ジグヘッドは同商品を重さ、針のサイズ別に複数種用意する

文面にすると、結構ありきたりだな。
ただ実感を伴うことで、改めて身になった気がする。

また、釣りがただ魚を釣るだけでなく、科学実験のような色合いも強くなった。
いま自分がしている仕事でも、ある施策の効果を正確に知るためには、それ以外の条件を合わせる必要がある。
その点でいえば釣りはもっと複雑で、自然相手なので結果を導き出す「変数」がかなり多い。
でも、だからこそ、人間側がコントロールできる変数については、可能な限りコントローラブルにしておきたい。それはキャスト精度だったり、リーリングスピードであったり、ルアーのサイズや色など…
そうなってくると、やはり可能な限り「良い釣具」を使うことが、結果的に楽をすることができる。ルアーの買い方も、迷いがなくなる。

視座を上げる

「何cmのランカーが釣れた」「何匹釣れた」という、釣果だけで見ると、道具にこだわる必要は特にないのかもしれない。
「ステラ使ってた釣友にナスキーで買った!」というルサンチマンを晴らす行為も、分からなくもない。

でも、釣りは道楽だから。
魚を釣るだけでなく、その日の魚の気持ちを理解するという、より上位のフェーズに立てたなら、飽きることなく、もっと楽しくなると思う。ただ釣るだけなら、皆もう十分な技量があるでしょ。

幸い、このボートに通っていると、同じ視座で釣りをしている人たちとたくさん仲良くなれた。これは1人でやってた2023年以前の自分からは、考えられないことだった。ここでの縁は、今後も大切にしていきたいと思う。

2023年は釣りのプロに出会って、いろんなことに気付けた1年だった。
来年はもっと飛躍していけたら、いいな。