ユウのよしなしごと

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【Caranx510】ホリデーパックはここまで化けるのか!

沖縄のロッドビルダーIkeharaさんから、テレスコのスピニングロッドをお借りしています。
いやあ、本当にこの竿は面白い。ぜひ紹介させてください。

外観

は、こんな感じ。

ダウンロックな木製リールシートは、なんとお知り合いのオリジナルワンオフとのこと。
ブラウンのスレッド・コルクストレートグリップと合わさって、雰囲気が最高です。

スペック

Length:5ft10inch

weight:103g

うん、最近のライトゲームロッドが平気で60g、50g台になっていることを鑑みても、このロッドは重いです。

ガイドはこんな感じで、ティップ部分は殆どC-IMガイドという極軽なものがアセンブリ。下から2つが普通の脚付きKガイドで、全部で9個付いています。
ガイド径は小さめなので、フロロよりはPE向けセッティングですね。

バランスが気持ちいいほど素晴らしい

103gというウェイトは、ライトゲーマーからすると眉間にシワが寄ってしまうレベルの数値ですが、このロッドは

手元重心とはこのことか

と打ち震えるほど、バランスが素晴らしい。

おそらく、ロッド自体が短尺なのと、リールシートをギリギリまで上に位置させているのが功を奏しているのでしょうね。
合わせたリールはヴァンキッシュC2500で、このリールの自重は155g。
少し重い竿&最高レベルに軽いリールのコンビですが、ある意味この組み合わせが、ルアーを意のままに操れる独特な官能さを支えている気がする。

また、

リールシートをギリギリまで上に位置させている

これによって、ロッドエンドを脇に挟むことができ、大物への対応も余裕がある印象を受けました。

町を歩くときは、武士の脇差スタイル

柔いグラスティップとカチカチなバットのハーモニー

これが、自分が一度は悪く感じて、使い込むうちに感動したポイントなのですが、このロッドのブランクス元であるシマノ「ホリデーパック」って、ティップだけグラスソリッドなんですよね。バイトを弾かないように、ティップだけ柔らかくなっている。

ただこれは諸刃の剣で、グラスはカーボンより重い。重たいものが先端に来るということは、タックルバランスの悪化に繋がります。

そして、このカスタムロッドの製法にも注目。

おそらくテレスコロッドクラフト・たつるさんの動画を参考にイケハラさんはこのロッドを作られたと思うのですが、たつるさんが

もともとリールシートがついていたブランクも再利用している

のに対し、イケハラさんは

作りたいロッドの長さを決め、それより1段階長いロッドを買った後、もともとリールシートが付いていたブランクは使わず、2つ目のブランクから使用している

製法を採用しています。

これにより、固く接着されたもともとのリールシートを剥がす手間が省け、楽に作れるメリットがある一方、もともとの竿より全体的に曲がりが固くなるはずです。

こんな書き方をしているので、まるでこの竿のダメ出しをしているように見えますが(笑)、先述のような工夫もあってタックルバランスは改善し、硬くなったバットもグラスティップがうまく調整を掛けてくれている、そのように感じました。

これは偶然なのか、イケハラさんが狙って開発したのか…

掛け方が独特

前章で書いたように、硬いバットと柔らかいティップを持つこのロッド。
そのおかげか、フッキングが物凄く楽になりました。
どういうことか、下の動画を見てほしい。

これはカサゴをフッキングしたときのGoPro動画だけども、カサゴというのは活性の高いときにはルアーをバックリ咥えてくれるけども、大概はもぞもぞバイトする。
それはティップで判断できて、しばらく待つとティップが曲がり続ける=しっかり咥えていて、ラインテンションが張る状態が続く、ということだから、ここでフッキングするのが丸い。

このロッドのグラスティップは、ダイワのメガトップのような突出した繊細さまではないが必要十分な感度を備えているので、カサゴのバイト具合をしっかりと表現してくれる。
加えて、バットはカチコチなので、わざわざ大振りにロッドを煽ってやらなくとも、もう10cmくらいグッとと軽くジャークするようなアクションでしっかりとフックオンさせることが可能。これは月下美人のような柔らかい、普通のライトゲームロッドとは異なる印象を強く受けた。
フッキングめちゃ楽だし、なにより魚が慌てふためいて縦横無尽に走る様子を、硬いバットが余すことなく伝えてくれる。楽しい〜

現時点の改善点

褒め続けるのも面白くないので、改善したほうがいいかなと思う点も書いておきたい。

10個目のガイドが欲しい

バット部分、1番目と2番目の間隔が少し広いように感じる。
横風でラインがなびくので、ここにもうひとつ欲しいところ。

そもそも、10個どころか9個もガイドが付いているテレスコルアーロッドなんて、市場には存在しないのですが…

 

 

とても面白い竿に出会うことが出来ました。感謝。