当ブログでも多く見られているTNI AL22手組ホイールの記事。
これはTNIの「AL22」というリムを使った手組ホイールですが、TNIにはほぼ同じ価格で「AL300」というリムがあり、実際に手組ホイールを組むにあたってどちらにしたらいいのか悩む人も多いと思います。
実は僕、両方のリムを使っていたので、比較しながら僕の意見を書いていきたいと思います。
スペック比較
簡単に両者のスペックを比較します。
AL22
・リムハイト:22㎜
・リム外幅:18.2mm
・リム内幅:13.3mm
・重量:約390g
・ホール数: 20H/24H/28H/32H
・価格:4,200円+TAX
AL300
・リムハイト:30㎜
・リム外幅:18.3mm
・リム内幅:13.6mm
・重量:約460g
・ホール数:20/24/28/32H
・価格:4,600円+TAX
ご存知の通り「AL○○」の数字の部分はリムハイトを表します。
リム幅を見ると以前まで主流だった「ナローリム」に当たるので、タイヤは23ⅽが適するかと思います(僕もずっと23ⅽ使ってました)。
一番違うのはやっぱり重量。もちろん同じアルミリムならリムハイトが高いほうが重くなるのは当たり前ですが、約70gほどの差になります。
ひとつ加えると、リムハイトが高くなるにつれスポークの長さが短くなるので、そのぶんわずかに軽くなります。
ホール数はどちらも同じですが、AL22にだけ24Hの2:1組に対応したリムがあります。
値段は少し300のほうが高いですね。
AL22は確かに軽いが…
僕の主観ですが、2つを比べるとAL22のほうが注目度が高いような気がします。
というのも、やはりこれはかなり軽いリムです。
シマノ・デュラエースの軽量アルミホイール「C24」と、重量だけで見ると近似する。
しかし、僕が初めて組んだホイールというのももちろんありますが、ホイールを組む際にテンションを上げていく工程でリムがたわむので、非常にやりにくかったです。
これは実走でも影響していて、神戸の急坂などトルクを掛けて踏むときに力が逃げる感じがやっぱり否めません。平地でスプリントするときもやはり40~、50~の速度域からの伸びが悪いです。
リムが柔らかいぶん地面からの衝撃も緩和されるという声も聞きますが、走るのにダルいという点で疲れるのと相殺するんじゃないか?と思います。
あと、振れが出やすい。こまりもんです。
平地は満足
そこで、半年使ったところでリアホイールだけ、リムをAL300に変更してもらいました。
芦屋のサイクルショップレフトさんにて。
工賃は5000円でした。パーツ持ち込みなど柔軟に対応してくださり助かりました。
もとのリム(AL22)は28Hだったので、リムハイト30㎜・28Hの結構頑丈なホイールに進化。少し重くはなりましたが…
帰りに2号線の平地でトルクを掛けて走ったところ、かなり伸びます。
前の欠点はかなり改善されていました。
用途に合わせるのがベスト
なので僕は
最初
フロント:AL22 20H リア:AL22 28H
↓
後日
フロント:AL22 20H リア:AL300 28H
というふうに変化しました。
「前は軽く、後ろは強く。」個人的にこれがベストミックスなのではないかなと思います。
たとえば火野正平のようなゆっくりまったり走る人は両輪AL22のほうが軽くて楽でしょうし、ゴリゴリの競技者は両輪AL300のほうがいいでしょう(これでも物足りないかもしれませんが)。
手組ホイールは必要か?
ただ、これを言ってしまってはあれなのですが、僕のように「毎日走るわけじゃない」「たまに走って楽しみたい」「どっちかというとかっこよさを優先したい」という自転車乗り(たぶんこういう人が大多数だと思いますが)は、かっこいい完組ホイールを買った方が楽な気はします。
もちろん手組ホイールは「オリジナリティが出せていい」「自分の脚力に合ったホイールが作れる」「組むのが楽しい」などメリットもありますが、
オリジナリティについて
これを出すには結構な資金が必要です。予算にもよりますが、多くの人が「ポストZONDA」として手組ホイールを考えている以上、5万円前後が目安でしょう。
僕のTNI手組ホイールは自分で組んだので工賃(相場は両輪で1万円程度)こそ掛かっていませんが、だいたい4万後半くらいでした。
あと簡単に思いつくとしたらマヴィックのオープンプロとシマノのハブで5万円以内に収まるとかでしょうか。
実用的なリムがわりと数無いので、オリジナリティ…というよりかは、「どこかで見たようなホイール」になる可能性が高いです。
となると予算を増やす必要がありますが、そうすると「BORAを外通で買ったほうがよくね?」ともなるわけです。
自分の脚力に合った…について
少なくとも僕はテンションを均一に上げるのに必死でここまで考えて組む余裕はありませんでした。やはり熟練のメカニックでこそなせる業なのだと思います。
…いかんの理由で、手組ホイールはなかなか難しい世界でした。
作ったあとも感動こそしましたが、フルクラムのレーシング3買えたなあとも思ってしまいました。
まあこういう経験をしないとわからないこともあったので、「勉強代」と思って後悔はしていません。
あ、あとは手組ホイールは買取に出してもめちゃくちゃ安く買い取られそうですしね。
11sでもヤバいといわれてるのに、これから12sが主流となるなか手組が生き残れるのかも微妙です。
結論
手組は使いこなせればいいヤツですが気難しいヤツでもあります。
長く付き合っていければ自分もスキルアップするし、壊れにくいしでメリットはありますが、根気が必要だと思います。
…もしこの記事を見てヒヨった人がいれば、おとなしくレーゼロ買いましょう(笑)
こいつはまじでいいです。