ユウのよしなしごと

アウトドアで生活を豊かに。

present for you

貰ったプレゼントを捨てられないと嘆く女性。
振られたからといって、過去に贈ったプレゼントを返してくれと話す男性。
私としては、それぞれ、プレゼントの意味を履き違えていると思う。

 

いつか読んだミニマリスト系の本で、このような文章に会った記憶がある。
「プレゼントは、贈る側が贈りたい側に渡した時点で、その役目を終える。」
僕はこの言葉にハッとさせられて、プレゼントに対する意識が変わった。
そもそも「贈る」という行為自体がエゴイズムの塊で、むしろ「プレゼントを受け取ってくれてありがとう」と感謝すべき、くらいに考えたほうがいいのではないだろうか。

 

また、別に読んだ恋愛系の本で、男性は女性に、自分のパワーを渡すという意味でプレゼントを贈る、とあった。
男性が女性にバッグを贈るには、バッグを買わなくてはならない。
バッグを買うには、お金がなければならない。
お金を稼ぐには、働かなければならない。
働くということは、自分のパワーを使っているのだ。
つまり男性は、その女性に自分のエネルギー注いでも良いという姿勢を、バッグという実体を使って表現している。

 

この考えに納得した一例として、手塚治虫作品で私が好きな『アポロの歌』がある。
過去に母親から虐待を受け、女性にひどく敵愾心を抱いた主人公が、さまざまなイベントを通じて愛というものを学ぶ。
好意を抱くも、事故により亡くなってしまった女性に放った言葉が印象的。

俺のいのち、ぜんぶひろみが吸い取ってしまってもいいと思ったぜ…

そのように思えるような人と出会えること自体が、幸せだと思う。

 

閑話休題。
さて、そう考えると、プレゼントとは簡単に見えて非常に難しい。
そもそも、こんな豊かな社会に生きる成人は、大抵のものは自分で買える。
都会の狭い物件に住む以上、プレゼントを貰うメリットより保管するコストのほうが高く付く。
となると、せいぜい食品や生活消耗品などの消え物が適当だろうか。
そして、プレゼントは人に自分のパワーを渡すということ。パワーを人に渡すほど、自分がみなぎっている状態なのかは考え直す必要があるように思う。