ユウのよしなしごと

アウトドアで生活を豊かに。

アウトソーシングと依存

北海道旅行編。

 

かねてから、北海道内で行きたかったのが夕張。
メロンと財政破綻で有名という特異な街は、石油によるエネルギー革命が起きるまでは炭鉱の街として栄華を極めた。

その後は観光の街として再出発を図るも、さまざまな外部要因により苦境に立たされている。
そんな夕張を、炭鉱という面からこの目で見たかったのだ。

 

映画『ぽっぽや』を観たことがある。
道内の過疎地域を走る鉄路のひとつが廃線を迎える物語。
北海道の線路は炭鉱とともに在った。鉄路は人間ではなく、石炭を運ぶためにこそ造られたのだ。
国策で遠い北の果ての地獄に集められた人たちは、死と隣り合わせで大金を稼いだが、国策の解消により散っていった。
夕張はそんな街の一つであった。

現在では身近に思えぬ石炭だが、実は鉄鋼業に不可欠な素材として、炭鉱が栄えたときよりも多くの量を輸入に頼っていると聞く。
我々は、国土に眠る資源を無視しつつ、アウトソーシングに依存していることを自覚せねばならない。

 

最近、映画『太陽の子』を観た。
戦争が起きる理由は、ひとえに各国のエネルギーの確保だという。
同作では、原子力こそがこの戦争の火種から人類を守るという導線があるが、まだまだ原子力を安全に扱えるほど人間は賢くないのかもしれない。

 

道内の地下に眠る黒いダイヤは、いつか日の目を見るだろうか。
そのときこそ、寂れゆく街が復興する一抹の光となるだろう。