Kindke Unlimitedをご存知だろうか。
Amazonの電子書籍サービス「Kindke」のサブスクリプションサービスで、月額980円の会費を払えば約200万冊の本が読み放題、という訳の分からないサービスである。
しかも、読める本はどれも1冊1000円で販売されているようなものばかり。
「一体どうやって作者や出版社は儲けているんだ?」と、疑問に思った人は僕だけではないと思う。
「読まれたページ数/全世界の既読ページ数」という簡単な公式
最近は調べるとすぐに答えが見つかる。
ITメディアさんの記事を紹介しよう。
これによると、Kindke Unlimitedによる販売者側の報酬は、
報酬額=グローバル基金×自分の本の既読ページ数/全世界の既読ページ数
という、簡単な公式で算出されるらしい。
グローバル基金というものの正体は分からないが、全世界のユーザーから得た月額会費が大半だろうか。
グローバル基金は毎月変動し、例えば2016年6月のグローバル基金額は約15億円ですが、2016年8月の額は約12億円となっています。(引用:ITメディア)
つまり、いかに自分の出版物が読まれるかがカギである。
また、ページ単価にすると報酬額は、人によって違うが
1ページ当たり約0.8~0.9円(引用:ITメディア)
とのことである。YouTubeの10倍と考えたら、結構高い?
ページ単価が高い個人出版社がピンチ
この算出方法で困るのは、同人誌など個人で出版物を販売している人だという。
理由は、もともとページ単価が高いからである。
僕もコミケに行って同人誌を買ったことがある。1冊の相場は500円であるが、ページ数は30とか、多くても50だろう。
対して、大手出版社から発売されている小説などは、同じ価格で200・300ページもあったりする。ページあたりの単価がそもそも違うのだ。
しかし、その都合をKindke Unlimitedは汲み取ってくれない。等しく1ページ1円以下で扱ってしまう。
「KDPセレクトに」登録するの?しないの?
「じゃあ、Kindke Unlimitedで販売しなければいいじゃない」
僕もそう思ったが、記事後半でそのことに大きく触れている。
Kindke Unlimitedでコンテンツの配信を行うには、AmazonのKDPセレクトというサービスに登録する必要があるらしい。
これをすると、Kindke Unlimitedで配信されている本(会員は無料で読めるが、お金を払って買うこともできる)が売れた際、印税として売上の70%を作者は受け取ることができる。
しかし、このKDPセレクトに登録しないでAmazonでコンテンツを販売する際、その印税率は35%に半減するという。
まるでヤクザである。
結局はエロと暴力か?
Kindke Unlimitedのラインナップを漁っていると、いまこの瞬間にもコンビニや書店で販売されているような最新の雑誌、週刊誌、漫画などがずらりと並んでいる。
また、一昔前のグラビアアイドル写真集や、18禁の本まで…それはもう、読み切れないほどたくさんある。
最初はこの光景が異様に見えて仕方がなかったが、この記事を読んで、少しでも自分たちのパイを大きくしようとしている涙ぐましい活動が見えるようになった。
見られるものが価値であり、正義である。これはもはやYouTubeの世界と相違ない。
奪うことで大きくなっていった
以前マコなり社長が動画で言っていたけど、GAFAのような大手IT企業は既存市場から「奪うことで」大きくなっていったと。
確かに、このゲームは彼らの勝ちのまま、人間の繁栄が終わるまで続くのかも知れない。