部屋に立てかけてある自転車を見て、ふと「なぜ自分は自転車を趣味にしたのか?」考えた。
古参の読者諸君はご存知の通り、もともとこのブログは自転車ブログだった。今はもっぱら釣りブログだけど。
自転車はたまに乗る程度になったな。
可処分所得より可処分時間が大事な社会人。休日のアウトドアにかけられる時間も有限である。
自転車、とりわけスポーツタイプのバイクに乗るようになったのは、それこそ釣りが発端だった。
大野ゆうき氏の、折りたたみ自転車にロッドホルダーを装着して、ポタリングしながらシーバスを釣り歩いていくスタイルにあこがれて。
車も原チャリも使えない年齢で、自転車は唯一の移動手段であった学生時代、初めて買ってもらったのは黒いクロスバイクだった。(折りたたみじゃないのかよ)
当時の釣友の影響もあったかな。海辺に住んでいたので、「輪行すれば山奥のダムでバスが釣れるんじゃね!?」って話してたっけ。
電車賃があるならルアーを買おうと、結局死ぬ気で自走したのも良い思い出。
そんなこんなでやっていると、次第に走ることや自転車をいじることに夢中になり、釣りよりも自転車にのめり込んでいった。
ロードバイクは、自分にとって”大きなプラモデル”のような感覚。ちまちましたカスタムを繰り返して、満足度が少しずつ高まっていく自分のバイクに惚れ込んでいた。
社会人になって、久しぶりに自転車を買った。
憧れだったフル・カンパで組まれたイタリアのクロモリ。
カンパニョロは潔いというか不親切というか、段速のラインナップが狭い。
私が自転車生活の現役だったころは11速がメインで、12速が出始めたぐらい。
今はもう12速がメインで、13速も出始めたと聞く。特にカンパニョロは段速に関してはイノベーターだ。どのコンポーネントメーカーより早く最新の手を出す。
しかしいまのエルゴパワーやクランクの形状は私の趣味に合わない⋯
やはり11速時代のウルトラシフトのレバー、Fiveアームのクランクでないと。
そして、そのパーツでアセンブルしたイタリアのクロモリフレームで、ネオクラシックな佇まいのバイクでなければ。
そんなワガママを叶える自転車なんてあるのか?
あった。
珍しく即買い。体が「今買わないとやばい」って感じたんだろうな。
もちろんこの子は乗っても楽しいんだけど、もう、見た目がとにかく好き。乗らなくてもいい。
ペダルは三ヶ島。なんかビンディングは無粋な気がして。
あのころの動機とは違うし、釣友とは疎遠になってしまったけど、自分の中で自転車熱が続いていることに、どこか懐かしさを感じた。