ユウのよしなしごと

アウトドアで生活を豊かに。

リールの誕生と大量廃棄

現代の釣りでは欠かすことのできない、リール。
この発明によって、釣り人はそれまでの「竿と糸の長さ」以上の範囲は探りきれないという”縛り”から解放され、これまでアウトレンジだった場所にいたより多くの魚を狙うことができるようになった。

 

しかし、それによって多くの問題が発生した。
まずひとつが、釣り糸の大量廃棄。釣り糸は100m・150m・200mというレベルの長さで売られていることがほとんどだが、その多くはすべて使い切られないまま、数カ月後には交換対象へ。なんならメーカーは「いつ来るか分からないドラマフィッシュを取りたいなら、釣りに行くたびに交換してもいいくらい」と謳うほど。1人の釣り人から、信じられない量の釣り糸が廃棄されている。

さらには、針の大量廃棄にも。
のべ竿しかない時代ならば竿と糸、つまりおよそ竿2本分の半径が、釣り人が魚と接触できる領域を限っていた。その距離であれば、たとえ根を攻めて根掛りしたとしても、水辺に立ち込めば回収できる。しかし100m先に飛ばし根掛かりしたメタルジグを、どう回収しろというのだろう。また針を残すということは、幾分かの糸も水に残すということになる。

 

ただ、ナイロンが釣り糸を席巻するまでメインラインを担っていたテグスより、現在のPEラインは引くほど強い。科学の進歩は糸を強くし、魚のキャッチ率を大幅に高めた。
であるならば、針を遠くに飛ばすのなら、根を攻めるのであれば、せめてそれを水に残さない努力は人として必要だろう。