不労所得、早期引退、セミリタイア。
「会社員という縛られた立場からの脱却」を叫ぶ声を聞かない日がない昨今で、一時期はボクも憧れていました。
ですが現在は、ほとんどの人は却って不幸になるのではないか、と疑問を持ったのです。
どんな形であれ、社会に参加しないと人は狂う
宝くじで10億円が当たった。
会社員の生涯年収は約3億円と言われていますから、並の生活を続けるぶんには、それ以上労働によるキャッシュの追加をする必要はなくなります。
毎日早朝に起きて、眠い目こすって準備して、座れない電車に1時間揺られて、きつい仕事をこなす日々を1週間に5日も行う必要はなくなります。なんて理想的。
ただ、だからといって、全く働かない日々というのは、死ぬほど、死ぬほど…退屈だと思います。
ていうか、普通に考えて、ボケますよね。良くも悪くも、外部からの刺激を受けなくなってしまうのですから。
FIREしつつ?アルバイトで社会参画していたおじさん
昔、小売店で働いていたとき、学生に混じって50代のおじさんがアルバイトとして働いていました。
社員よりも優秀な方で、経験も豊富。なのに、アルバイトとして、きままなシフトで働いていました。
今思えば、彼はFIRE組だったのではないかと思います。お金に余裕があるから、あくせく働く必要はない。でも、社会との関わりを求めて、正社員ではなくアルバイトとして、軽く社会に参画しているのではないかと。
大人になってからでは、自分含め社会人は会社の人以外とコミュニケーションを取る機会がそれほどないのではないでしょうか。
そんな状態で会社を辞めたら、人と話す機会がごっそり減るのではないか。定年退職後と同じように。たまに散歩していると、おじいさんが公園で昼から一人寂しく缶チューハイを煽っているのを見ます。なんだかとても物悲しいです。
リモートワークでコミュニケーション不足?
リモートワークだってそうです。オフィスで仕事していると、何気なくすれ違ったときに二言、三言雑談する、アレ。結構メンタルに効いていたのかも。いくらzoomでミーティングできるとはいえ、仕事以外の話をしずらいんですよね、なんとなく。
リモートワークをするにしても、家族がいる実家でするか、一人暮らしでするかによってメンタルダメージは結構違いそう。ああ、猫でも飼いたいなあ。
趣味に打ち込むしても
「いやいや、私は打ち込める趣味があるから暇にならないよ」って声、分かります。ボクも大好きな趣味は何個もありますから。
でも、一般的な価値観をずっと持ち続けてきた多くの人にとって、一気に趣味に打ち込める環境になったら、逆に苦しくなるのではないか、とも思うのです。
これは恥ずかしながらボクが真の釣りキチではない、からかもしれませんが…
正直、毎日毎日釣りに行くのって、しんどいんですよね。分かる人他にいます?
なのでボクの場合、土日のどちらかで釣りにいって、平日仕事しつつ釣り欲を高め、また休日のどちらかでそれを発散する、週イチのサイクルがちょうどええんです。雨や悪天候で釣りに行けなくても、家でできる他の趣味がありますから。
また次週、釣りに行けば良いんです。行けないなら有給使って平日行ければいい。
遊ぶにしたって、プランを立てたり、自分のメンタルをコントロールしたり、自発的に行動するぶんストレスは伴います。会社員なら労働契約上『仕事しなければならない』と決められた日が1週間のうち5日もあるのですから、あえて言えばその意思決定に頭使わずに済むというもの。実はありがたい?
以前釣り場で話しさせてもらったアングラーさんも、会社員でした。
確約された週2の休みで、好きな釣りをできるこの環境が、ありがたい。
この意見にはボクも同意です。
夏休みを1日たりともゴロゴロしなかった人は例外
このロジックが通用しないのは、学生時代夏休みのほぼ毎日を、自発的に計画を立てて行動できた人だと思う。
でもそんな人、なかなかいないでしょう(笑)