最近、ダイワやシマノから新製品の発表があり、ネットでみんな話題にしていますね。
ダイワ党寄りな僕は、新しいグレードの「ルビアス エアリティ」に注目しています。やっと「ヴァンキッシュ」の対抗馬が出てきたな、と…
各社で加熱するリール軽量化戦争ですが、「軽さは正義」とは真実なのでしょうか。
68ストレンジに見る「バランスの大切さ」
僕がする釣りがライトゲーム中心なので、それメインで述べていきます。
現在のアジングロッドの原型となったのはブリーデンの「68ストレンジ」で間違いないでしょう。
・セパレートグリップ
・ティップを上げフォールでアタリを取る釣り主体のため、長いロッドエンド
・多点マイクロガイド
今ではよく見るアジングロッドのカタチですが、これが2006年に発売されたとは驚きです。中学生の頃、中古で頑張って買える値段で売っていたけど、ワンピースタイプということで泣く泣く諦めたな…
僕はレオンさんのいちファンでもあるので、氏のブログをよく見ています。その中で知ったのが、このロッドに合わせるリールへのコダワリ。
ジグヘッド単体メインロッドな68ストレンジと同時に、俗に言う“ブラック3兄弟”として
・74エレクトロ(最もメバル向き?)
・83ディープ(ランカーサイズ向け)
が発表されました。GRF-TR seriesの誕生です。
氏のブログによれば、74と83に関しては長尺ロッドであるがゆえに出来るだけ軽量リールを合わせたいとしつつ、最も短尺な68ストレンジに関しては事情が違うのだとか。
先に述べたようにガイドが極端に小さい事と、ティップもかなり細いためにロッドバランスが通常と異なる。
リールをセットすると顕著にその傾向が強くなり、「バットから先が無い?」と感じるアングラーも居るほど。
実はココが68ストレンジの最大の強みだ。
恐ろしく軽い上にロッドバランスの支点が手元近くに来る。したがってロッドを強く握らずに操作すれば「魚の微細な当たり」が、「反響となって伝わることの無いラインの動き」が、ティップ部へ「揺れ」として伝わる。
私はコレを称して「三次元高感度」と呼んでいるし、このようなロッドはメバリングロッドでは未だかってみたことも無い。バスロッドの世界にやっと同じバランスを見ることが出来る程度だ。 したがって合わせるリールも最近の傾向の「極軽量リール」と考える必要は無い。実際私の手持ちのイグジストとステラで使い分けると、ステラの重量の方が遥かにマッチしていた。(Keep Casting.)
僕が最初にこのロッドに触れたのは、それこそ中学生のとき。ストレンジ発売から数年経ち、世のアジングロッドはいわゆる“パッツン系”と言われるカチカチな竿ばかりになっていました(個人的に「Tictブーム」と呼んでいました)。
なのでストレンジはそれらと比較すると比較的デロっとした印象を受けましたが、それがミソ。魚のアタリというのは、なにも引ったくる系の強いアタリだけではなく、「居食い」などのモゾッとした、繊細なアタリもあります。活性が低かったり、大型だったりすると特にそれが多いと個人的に感じます。
こうしたアタリはティップが曲がらないと分からない。また、曲がらないとアタリを弾き、フッキングできないこともあります。
そのため、ティップを上に上げ、カーブ&テンションフォール主体でアタリを取る、そういう釣りが必要になるのであり、そういう釣りをするには「手元重心」が必須になるのです。
やじろべえのごとく、リールシートを指で支え、タックルの重心位置を調べるのは釣り人あるあるだと思いますが、手元に重心を来させるのは果たして難しい。
ロッドというのは基本的にガイドがある前方が長いので、どうしても先重りしてしまう。
68ストレンジの場合、マイクロガイドセッティングやATガイドの多用でロッド前方のウェイトを極端に下げバランスを良くしつつも、合わせたリールは04ステラ2500(230g)だったそう。セルテートの廉価版であるブラディア2506(280g!)を使っていたこともあったそうで、これは正直、激重です。
2011年の記事でも、2010年に発売された10セルテート2004(220g)にブリーデンのダブルハンドル(50g程度)や重いリールスタンド(?g)を使って、ストレンジに合わせるリールの"重量化"に勤しんでいるのが分かります。
モバイルロッドはなおのこと難しい
さて、最近僕がよく使っているモバイルロッドですが、これはことバランスに関して言えば、正直「悪い」です。
ガイドはチタンで軽くても、継ぎ目部分がどうしてもウェイトになるのかな?と。
月下美人MXモバイル610は69gとかなり軽量で、合わせるリールはカルディアLT2500Sで190g。これは初代05イグジストと同じ重量です。リールの進化ヤバすぎ。
現在ダイワリールの共通コンセプトとなっている「LT(ライト&タフ)コンセプト」。これはシマノで言う「C番手」と同じで、要は表示番手よりひとつ小さいボディに通常サイズのスプール(厳密には違うかもしれませんが、あくまでイメージとして)を付け事実上軽量化しつつ、材質を見直して必要な剛性を確保するというものです。
バランスはこの通り。
フードの前のブランクス部分に重心がある状態。中指と薬指でリールを握るホームポジションでは先重りを感じてしまいます。
一方、かめやオリジナルのアジニスト610(80g後半?)とカルディアLTのバランスはかなり良い。
1万円以下のロッドでは感度と強度のバランスがかなりいいロッドだと思います。見た目もストレンジライクでいい感じ。
対象魚が大型になるほど軽量化の恩恵を得られる?
もちろん、シーバスやショアジギングなど大型狙いのロッドはアジングロッドとは比較にならないほど長尺になるため、手元重心というのは無理でしょう。
しかしグリップエンドが長い分「脇でロッドを締めて」釣りができるため、そこまでタックルバランスを考えなくてもいいような。
そしてその前提であれば、ロッドもリールもできるだけ軽いほうが体への負担が軽減されるはずです。つまりリールの軽量化もバンザイということ。
まあ、軽さを優先すれば剛性問題が出てくるのですけどね。
ガイドの進化でも事情が変わる?
そういえば、りんたこさんプロデュースの月下美人AirAGS68L-Tは超軽量なうえに、最近の軽量リールと合わせてもバランスが良いそうなんですよね。
これはおそらく、AGSとダイワのカーボンによるティップのウェイトダウンが貢献していると思います。
ガイドリングについてはSiC・トルザイトが作れるFuji一強ですが、ことガイド「フレーム」はシマノ・ダイワを始めとしたマスメーカーがオリジナルのものを開発しており、これによってロッドバランスの事情も大きく変化している、のではないかと考察しております。
ロッドメーカーは多数あれど、ブランクス、ひいてはガイドまで作れるメーカーはそうそうありませんからね。昨今の軽いリールを、ロッドバランスが特に重要視されるフィネスライトゲームで使うのであれば、、、もしかしたらシマノダイワ一強なのかも。
あとは68ストレンジでもそうですが、やっぱりそのロッドに合ったリール重量というのはあるわけで。
理想を言えば「プロがテスト等で使っているタックル」をそのまま買って使うのが、高い満足度への最短距離なのかも。だいぶん危険な思想ですが笑
タックルの話は面白くて尽きませんね。