ユウのよしなしごと|アウトドアブログ

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【トレトレチャンネル】大学生が考える「マイホーム神話」という幻想について

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将来の夢とは何だろう。

僕は中学生のころまで、「転勤せずに家を持つこと」が夢というか目標だった。

僕の家族が転勤族で、父が単身赴任で家にいないことが多かったのも理由のひとつ。

転勤のたびに友人関係がリセットされるのがまあまあ面倒で、(もし子供を持つなら)子供にはそういう面倒をさせたくないな~と考えていたからでもある。

 

しかし、最近というか、大学生になってから「家を持つ」ことに対する考えが変わってきつつある。数年間の学びを含め、現在の考えを記録するためにもここに書きたいと思う。

「トレトレチャンネル」に学ぶマイホームの怖さ

YouTubeに「トレトレチャンネル」なる漫画系チャンネルがあるのをご存じだろうか。

クマ(イヌ?)の「リブ」が、経験豊富なトラネコ「店長」に社会のイロハを教わるという構図で、その内容はマルチ商法、オカルト、転職、借金など暗い話題を中心に幅広く扱っている。いわゆる「アングラ」なチャンネルだ。

特にトラネコの「店長」が話す内容は実体験に基づくものが多いそう。名前が店長なのは、以前動画投稿者が北海道でカードゲームショップを営んでいたことに由来する(現在はYouTuber専業)。

 

さて、このチャンネルでも「マイホーム」に関する話題が扱われた。

2019年7月23日・24日公開の「新築のマイホームを35年ローンで購入した男の末路!!」では、マイホームを購入したサラリーマン家庭の末路が暗く描かれている。

前編「【借金地獄】新築のマイホームを35年ローンで購入した男の末路!!(前編)」

 

あらすじ

「友人が念願のマイホームを建てた」と店長に報告するリブ。しかし、店長は「お見舞金をあげろ」「お先真っ暗」など否定的に話す。

友人を侮辱されたことを怒るリブ。それを見かねた店長は、リブに4人家族のサラリーマンとしてマイホームを買った未来を疑似体験させる。

要約
  1. 新興住宅地の新築3000万円を35年ローン(月々94000円=総額3290万円)で購入する(以下、動画より引用)
  2. 家が広くなると家具が増える
  3. 一度見栄を張ると見栄の連鎖は止まらない(車、家具など)
  4. 幸せを購入したつもりが、いつしか金の奴隷に
  5. 金の奴隷になると家族との時間も失われる
  6. 家を持つと少し納税が遅れるたび役場はバカのひとつ覚えのように差し押さえを唱えてくる
  7. 少しの無駄遣いでさえも気にするようになる
  8. 部屋が広いと各々自分の部屋に閉じこもり、顔を合わせなくなる
  9. 夫婦と言えど所詮は他人。金の切れ目が縁の切れ目
  10. 離婚すると配偶者控除、扶養控除がなくなり、所得税が高くなる。また家族手当もなくなり所得が少なくなる
  11. 離婚をすると完全に他人。元夫の事情などどうでもよい
  12. 「嫁は必ず、一言目には『子供が欲しい』、二言目には『家が欲しい』と言い出します」養育費、各ローンの支払いに追われ、ついに首を吊り自殺。

マイホームの購入がきっかけで家族関係が破綻したというなんとも暗い話。

後編は家族が円満に続いた場合を描く。

後編「【下流老人】新築のマイホームを35年ローンで購入した男の末路!!(後編)」

あらすじ

前編はマイホームの購入がきっかけで家族関係が破綻したケース。

後編は家族が円満に続いた場合を描く。もろもろの条件は前編とほぼ同じである。

要約
  1. 妻に家族の時間を優先するよう言われ、会社での付き合いを犠牲に。出世コースからは外れ給与も下がったが、「家族との時間には代えられない」。
  2. 妻の勝手な贅沢にも小言を言わない。妻へのたまのプレゼントは欠かさない。
  3. 2人の子供が巣立ち、広いマイホームに夫婦2人で暮らすように。特に子供の部屋などは物置と化す。
  4. 定年退職と同時に住宅ローン完済(30歳で家を購入したことが分かる)。退職金をあてに老後を楽しむ。
  5. 70歳になり、年金が支給されるがあまりの少額さ(14000円)に驚く。「高齢者も働く時代」役所からは軽くあしらわれる。
  6. いったん巣立った子供はなかなか戻ってこない
  7. マイホームを手放し、安い市営住宅への引っ越しを提案。しかし、買い取り額として提示されたのはたったの50万円。人口減少により将来的に空き家が増えることからも、需給の関係で値下がりすることは言うまでもない。
  8. マイホームという資産があるため生活保護も受けられない。
  9. 「下流老人になっても駐留時代のプライドだけは捨てられない」オーバードースで夫婦ともども自殺。

かなりの偏見が含まれているものの、一般人が高い金、膨大な時間を犠牲にして家を持つことに警鐘を鳴らしていることは確か。

盲信はいけないが、正しい点もいくつかあると思う。

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「マイホーム信仰」はいつから?

そもそもマイホーム信仰はいつから始まったのだろう。

これについては僕の愛読書である「インベスターZ」14巻から学びたい。

インベスターZとは?

「ドラゴン桜」で有名な三田紀房先生の作品。

北海道の中高一貫の超進学校「道塾学園」が舞台(架空の学校)。そこは授業料・食費などあらゆる経費が無料で、学生は勉強や部活動に専念できる夢のような学校。しかし、校内で必要なすべての経費は6学年の首席たち6人の学生が資産運用をすることで稼いでいた…!

株式投資、金、FX、土地売買…資産運用のイロハが分かるかなり面白い漫画。是非読んでほしい。

3500万円の家を買うのに6000万円かかる

主人公の財前くんの家は父がローンで買ったマイホーム。父は金のことを家庭に持ち込まない主義だが、数学の天才である財前くんは住宅メーカーの推定予算や当時の路線価(市街地的形態を形成する地域の路線(不特定多数が通行する道路)に面する宅地の、1m当たりの評価額のこと)を参照に、地価と住宅価格の和がおよそ3500万円であると推定。

35年ローンだとして、固定資産税など必要な諸経費を足すと35年のうちに6000万円程度支払うことを知り、口の悪い財前くんは親をバカ呼ばわり。

翌朝財前くんは父に家を建てた理由を聞くと、ロマンチスト気味な父は「家って…いうなれば家族の思い出を作る場所かな」と回答。

マイホームに対する考えは人それぞれですが、こういうふうに考える人もいるようだ。

阪急電鉄がルーツ

戦前は日本人の7割が借家暮らしをしていたという。夏目漱石など、有名な文豪も借家に住んでいた。

これはまだ庶民が家を持つという感覚がなかったのにも起因する。土地の私的所有が認められたのは明治維新期の地租改正以降で、それまでの借家暮らしの感覚がまだ抜けていなかったのだろう。(参考:wiki「地租改正」)

そして1945年、終戦。空襲により日本全土は焼け野原となり、多くの家屋が焼失し、空前の住宅難に襲われた。インフレによりモノの価格が暴落し、家を建てることもままならない。

1950年代から始まる高度経済成長に伴い、多くの人間が再び東京に集まる(「金の卵」ブームなど)。需要が高まる分、土地の価値も上がり続ける。

住宅難問題をどうするか。国が目を付けたのが、関西の私鉄会社である阪急電鉄創始者の小林一三が戦前に作り上げた「小林モデル」であった。

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「この家はあなたのものです!」

当時の関西は市街地を除いてほとんど耕作地や原っぱなど未開発の土地であったという。わざわざ田舎に行く用事もないが、そこで小林一三は「ない客は作ればいい」と考えた。

具体的には田舎に遊園地、温泉、歌劇場などを造り、大阪都心部と田舎を鉄道でつなぐ。その路線の近くに住宅地をつくり、家を庶民にローンを用いて(支払いに一生を掛けるが)買わせるという仕組み。小林一三はもと銀行員であったため、金利という不労所得に造詣が深かった。

3つのプレイヤーのメリットとしては

  1. 庶民:月に少額ずつ支払うことでマイホームを持つことができる
  2. 銀行:ローンの貸し手として、莫大な金利が入り投資に回せる
  3. 国:不動産など産業が活発化し、大きな税収が手に入る。また家を所有する庶民からもたくさん税を納めてもらえる

いいことずくめだ… 

(参考:「小林一三の偉業【阪急電車・住宅ローン・宝塚歌劇団・駅直結の百貨店】:大阪人の生態学【2016/03/26】」)

1950年に住宅金融金庫が設立(2007年に住宅金融支援機構に変わる)。資金利欲の弱い庶民に家を買わせるため、住宅購入に必要な融資をする公的な機関が作られた(参考:wiki「住宅金融金庫」)。

この小林モデルは全国で模倣され、1960年代に「マイホーム主義」が流行語に。マイホーム信仰は瞬く間に浸透し今に至ったという。

国が作り上げた幻想にはめられる国民

財前くんの父が言った「家って…いうなれば家族の思い出を作る場所かな」という考えは、いわば国が都合よく作り上げた幻想だった。

これについては戦前の人間に借家暮らしに不満があるかアンケートを取りたいところだが、それはムリだ。どこかデータがないだろうか。

 

国が進めたマイホームキャンペーンに国民が飛びついたのは「日本の土地価格は上がり続ける」という神話があってこそだった。それはつまり日本の人口が増え続け、経済が成長し続けるということ

土地や家という不動産を早いうちに持てば将来得をするかもね、ということで、資金力の弱い庶民が資産形成をするならこれしか選択肢がなかった。

頭を使って生きている人にとっては、かなり無理のある話だとすぐに気付くはずだ。日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに、減少に転じた。2018年のGDP(国内総生産)成長率はわずか0.8%である。

平成初期のバブルのころまでは通用したかもしれないが、今は違う。

戦略的に生きるためには今なりのやり方で生きることが不可欠な気がする。

(参考:マネーボイス「日本発地獄行き。「念願のマイホームを買う」という幸せゲームの末路」)

 

マイホームへの執着が老後を苦しめる?

住宅ローンを使って新築を建てるとして、頭金として必要な10%、300万円近くを貯金できるようになるには頑張っても20代後半から30代になる。

そこから35年経ち、住宅ローンが完済するころには60代か70代。もはや老人である。

人生100年とは言えど、家が完全に自分のモノになったときには自分の体にガタが来始めている。場合によっては病気になって入院したり、ボケて家族に老人ホームなど施設に送られるかもしれない。

結局自分の世話事が自分でできなくなったらすぐに病院送りだ。そしてその金もない家庭が、家庭での介護を迫られ、悲惨な事態となる。

また、自分の人生を掛けて得たマイホームへの執着が、施設で暮らすことの障壁となるかもしれない。

確かに35年も支払い続けて得た家から去るのは口惜しいものがある。想像だけど。

 

それなら、ずっと賃貸で住めば家や土地への執着が生まれることもない。

その点、僕は生まれたときから県移動のレベルで通算5回ほど引っ越しをしていることから、住む街に対する執着はあまりないほうだと思う。ある意味、好都合かもしれない。

ミニマリストからは学ぶことがある

 「持たない暮らし」で有名なミニマリストは、ビーガンと同じくらい偏見と差別の被害に遭っていると僕は思う。

たしかに、一部の過激なミニマリストの言動は目に余るものがあった。本当はライフスタイルの1つでしかないのに、そういった生き方だけが正解だと考えている。

これは何に関しても共通すると思うが、盲信は破滅をもたらす。

適度適量が最善であり、他の方法を受け入れる寛容さを持つことも肝要。

 


しかし、そんなミニマリストから学ぶことはあると僕は思う。それは「できるだけ身軽に生きること」。

昭和後期~平成前期の太平楽とは違って、令和からは激動の時代。社会のIT化により変化のスピードがとてつもなく速くなる。

そういった不安定な時代で生き残るには身軽に生きること、つまり固定費の削減が肝要。

月々の固定費とは?ライフラインコスト・通信費・家賃や、税金のかかる所有物(車・家)などがそうかな。

 

そして気候変動により日本は熱帯化し、格段に台風の数が増えた。

もともと地震大国なうえさらに台風が頻発するとなれば、もはや日本はそれほど住みやすい国ではないのかもしれない

英語ができさえすれば、海外移住も視野に入れることが出来る。なにせ、このコロナ禍によってリモートワークスタイルが恐ろしいほど急ピッチに整備されたのだから。日本人は必要に迫られると頑張れる。

 

個人的な意見としては、リモートワークによる人口の地方回帰はあっても一時的なものになると思う。その場所の人口が減ると生活を支えるライフラインや公共交通機関、病院や店などの経営が逼迫。

人々は利便性を求め、最終的には都心への密集が再開する。

もしかしたら資金があれば、地価の底と見極めたタイミングで買い漁れば人々がまた都心に回帰したときにウハウハできるかもしれない。

企業がフル在宅勤務に移行したりで、渋谷新宿のビジネスビルは一時的に閑古鳥が鳴く可能性もあるが、その空間は誰が買うのだろうか…

おわりに

こんなことを言うのもアレだけど、上記のことはすべて金があれば解決する。

なのでお金に困っていなかったらよほどヘマしない限りオッケー。

 

しかし、多くの庶民はそうではない。「トッカン-特別国税徴収官」などでも言われているように、サラリーマンでは一生金持ちにはなれない。

それどころか、金持ちも3代続けば平民になる社会だ。実は社会主義なんじゃないかとさえ思える。

日本ではまともなレールに沿って生きていくほど国においしく食べられる。マイホームやマイカーなどを常識に従って買っているようではお先が暗い。

どうすれば幸せに生きられるか。これはずっと考え続けなければならない永遠のテーマだと思う。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!